鍵のメンテナンス方法と鍵について知っておきたい基礎知識
鍵のメンテナンス方法と鍵について知っておきたい基礎知識について解説するWebサイトです。鍵の回転が重いとか、挿入がスムーズにいかないような症状があったら要注意。最悪はキーが抜けなくなってしまいますので鍵のタッチに違和感を感じたらまずはメンテナンス!
はじめに
鍵の回転が重いとか、挿入がスムーズにいかないような症状があったら注意しないと、最悪はキーが抜けなくなってしまいます。ロックされてしまって困ります。鍵のタッチに違和感を感じたらまずはメンテナンスをすることです。このWebサイトでは【鍵のメンテナンス方法と鍵について知っておきたい基礎知識】について解説します。
鍵のメンテナンス方法
鍵に違和感を感じたら、まずはメンテナンスをして様子を見ることをお薦めしますが具体的にどういった方法をすればいいのでしょうか?簡単にできる方法をご紹介しますので試してみてください。
鍵穴専用の潤滑剤の塗布
潤滑剤の使用方法は製品毎に違いますので、説明書を見ながら行ってください。
鉛筆の芯を使う方法
鉛筆の芯の部分をキーの刻みの箇所に塗るようにして、シリンダーに差し込み、数回丁寧に抜き差しをしてみてください。黒鉛が鉛筆の芯に含まれており、その働きで鍵穴の滑りがよくなって改善することもあります。作業をしたあとは、鍵に塗った黒鉛は綺麗に拭き取りをしておきましょう。
歯ブラシなどを使ってメンテナンス
溝部分や刻み部分にゴミが付着している可能性があるので、ブラシ的なもので掃除するようにしましょう。鍵穴の部分はパソコンのキーボードのゴミや埃を吹き飛ばすエアーダストがありますから、それを軽く吹きかけるのも効果的です。
こういったメンテナンスをしても動作に変化がない場合は、深刻なトラブルの可能性があります。キーの操作が重くなる原因にはどういったことがあるのでしょうか?
原因について考えられることをご紹介しておきますので参考にしてください。
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- (1)キーそのものが曲がっている
- 曲がっているキーを使うことはやめて、スペアキーを手配するかシリンダーを交換しましょう。曲がったキーをそのまま使っていると挿入が重くなることがあります。最悪はキーがロックされて抜けなくなる場合もあります。
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- (2)シリンダーの内部にある部品が摩耗によって故障している場合
- 細かなパーツの組み合わせでできているのがシリンダーです。故障した部分だけを修復するのは簡単ではありませんし、交換するのがベストな解決方法になります。
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- (3)シリンダーに内部に埃やゴミなど細かい汚れが溜まっている場合
- 汚れが長年にわたって蓄積してしまうと、内部部品の動作を邪魔してしまうことになりますので症状が重い場合はセルフメンテナンスでは対処できません。鍵屋さんによっては分解洗浄のクリーニングをしてくれる場合もありますので、相談してみましょう。長年使っているのであれば交換のタイミングだと判断してください。
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- (4)ロックケースやハンドルなどの部品の取付の不具合
- ビスが外れていたりすると錠前が正しく設置されなくなります。錠前が正確に動作しなくなりますので、取り付け部品がぐらついたりしていないかチェックしてみましょう。
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- (5)ロックケースの内部の潤滑剤の劣化が進んでいたり、汚れが溜まっていたりしている
- ロックケースはシリンダーと連動してデッドボルトを動かす部品です。シリンダー以外に機械的な不具合があるならば、ロックケースの不具合が考えられます。もともと注入されている潤滑剤が劣化して不具合がおきますので、クリーニングなどのメンテナンスを依頼するか交換がいいでしょう。
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- (7)ロックケースの故障
- ロックケース内部の細かいパーツが経年劣化で摩耗しているとか、スプリングが劣化しているとかになると動作が悪くなります。10年ほど長い年月利用しているならば、シリンダーと同じように交換することをお勧めします。
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- (8)ドアの建付に不具合が起きている場合
- 地震や激しい開閉運動をするとビスが緩んできます。ドアは傾いてくることもありますし、ドアの回転軸である丁番が経年劣化で摩耗している場合もあります。錠前はドアとドアの枠を通すデッドロックで施錠されます。ドアが傾いてしまうとデッドロックが正常に格納されないこともあります。デッドロックに収まった場合でもストライクに干渉してしまうと側圧がかかります。最終的にキー操作に影響がでます。
シリンダーの具合が悪いからと言って鍵穴に市販の合成潤滑剤を入れるのは絶対にやめましょう!粘り気がある潤滑剤とか、揮発しないタイプのジュ滑剤とかはシリンダーの内部に残ってしまい、汚れを固まらせてしまいます。潤滑剤を入れてすぐの場合は動作がスムーズになって「治った」と思いがちです。しかし、長期的に見た場合は間違いなく劣化してしまいます。
強引に鍵を回すと鍵が折れてしまって重大なトラブルに繋がり修理代は跳ね上がるでしょう。折れた鍵の先が鍵穴に抜けなくなると最悪です。力を入れて鍵を操作することは避けるようにしてください。
用語の確認
鍵をかけるとは……
「鍵」という道具を使って「錠」という機構を動かして、ドアや蓋を開けなくすることを言います。
鍵
英語ではKEYと言いまして、錠に差し込んで施錠したり開場したりの操作をするための道具です。
錠
英語ではLOCKと言いまして、保安や防犯の目的でドアや箱の蓋にとりつけ、開かないように固定するための機構・メカニズムのことです。
錠前
英語ではLOCKSETと呼ばれ、鍵と錠のセットのことで施錠機構の一式をしめします。
錠前には「シリンダー」と呼ばれる大切な部品があり鍵穴部品のことです。一般的な玄関ドアの場合は、シリンダーはケースと呼ばれる施錠機能のカンヌキを持った部品に接続されて「キー」を使って回転させ「ケース」動作をさせて施錠したり解錠したりします。
錠前の各部の名称と働き
サムターン
デッドボルトを出し入れするためのツマミで通常は施錠するときには横に向きます。
ノブ(レバー)
取っ手の役割をする部品で、回転させてラッチボルトを出し入れしてくれます。
フロント(座面)
彫り込み型ケースの戸先の側面にでてくる面のことで、デットボルトやラッチプロットが出入りする穴とケースをドアにつけるビス穴があります。
デッドボルト(本締)
施錠するためのカンヌキのことで、キーとサムターンで操作します。
ラッチボルト(仮締)
ドアが風などであおられないための仮締で、ノブとかレバーなどのハンドルで操作します。
ストライク(受座)
ケースから出てくるラッチボルトとデッドボルトを納めるドア枠側の金物です。
ケース(錠箱)
錠前の機構の部分が収納されています。ドアの中に収納する彫り込み型とドア面に取り付ける面付け型に分かれます。
シリンダー
キーが入る部分のこと。適合しないキーを差し込んでも回転しないようなメカニズムになっています。
バックセット
フロント面からハンドルやシリンダーの中心までの寸法をしめす言葉で、同一の型番のロックケースであっても、バックセットが違いますから、バリエーションは多数になります。
スペーシング
ハンドルとシリンダーを別に構える錠前のこと。その中心間の寸法をしめす言葉です。
シリンダーの種類
シリンダーは内部構造によって防犯性能や挿入するキーの形が違いますが、最近はディンプルキーが主流になっています。その理由は防犯性能が高く設計されているからです。
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- (1)ディスクシリンダー
- ウェハータンブラーシリンダーとも言われており、穴が空いているお皿のような形状のタンブラーが組み込まれています。キーの刻みによってタンブラーが回転してくれます。ピッキングに弱いので現在は交換することを推奨されています。
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- (2)ロータリーディスクシリンダー
- ディスクシリンダーの後継で適合したキーを差し込むとU字型タンプラーの切欠きがロッキングバーと合致しますので回転することができます。特徴はロッキングバーとタンブラーが別々になっていることです。タンブラーが中間部品の役割をし、U字型のディスクは9枚内蔵していますからU9シリンダーと呼ばれることもあります。
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- (3)ピンシリンダー
- タンブラーが1列に並んだピン状になっています。キーの刻みによって動作してコア部分が回転するメカニズムです。普通はピンがシリンダーの内筒と外筒を貫いていますから回転できません。ここに適合キーが挿入されると、ピンの切れ目がシリンダーの内筒と外筒の境界に一致して回転できます。防犯性能は高くありませんし、簡易的な鍵に利用されます。
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- (4)ディンプルシリンダー
- 表面に大きさの異なるくぼみがあるディンプルキーと呼ばれるキーを使用します。ピンシリンダーを複雑化させたもので、ピンが複数方向に設置されますからキーは溝だらけの形になっており、防犯性能はとても高いですしピッキングによる解錠は無理です。
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- (5)マグネットタンブラーシリンダー
- キーにマグネットが埋め込まれているのが特徴です。反発する磁力を応用してタンブラーを動かすようなメカニズムのシリンダーです。プラスとマイナスの極性がひとつでも一致しないと回転しませんし、磁力を使っているのでピッキングはできにくいです。
キーシステムの基礎知識
目的に応じたキーの管理システムが「キーシステム」です。建物の用途や規模によって幾つかのキーシステムが導入されています。
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- (1)単独キー
- 全ての錠前がそれぞれ固有のキーを持っていて、共通のマスターキーを持たないものです。
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- (2)同一キーシステム
- いくつかの錠前のシリンダー構造であるキーナンバーを同じ物にしておいて、そのグループのどの子カギでも施錠したり解錠したりできるシステムです。住宅の玄関と勝手口と倉庫とガレージなどを1本のキーで利用できるようなタイプがこのシステムです。それぞれ同じ鍵穴がついていると考えるとわかりやすいでしょう。
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- (3)マスターキーシステム
- 複数の異なる錠前を1つのグループにしておき、そのグループ内の錠前を別の1本のマスターキーで施錠したり解錠したりできるシステムで、施設管理で用いられることが多いです。
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- (4)逆マスターキーシステム
- マンションなどの共用通用口で使われることが多いシステムです。いくつかの錠前を1つのグループとしておき、各錠前の子カギが特定箇所の錠前を施錠したり解錠したりできるシステムで、そのグループに属する錠前群を逆マスターする方と呼びます。特定箇所の錠前を逆マスターされる方と呼んでいます。
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- (5)コンストラクションキーシステム
- 工事期間中に使うキーをコンストラクションキーと言います。このキーを使えば建物すべての錠前を施錠したり解錠したりできます。工事が完了したらシリンダー内部に設置されたコンストラクション装置を解除し使用不能になります。それぞれの錠前のキーだけで使えるようになりますので心配はありません。
大型施設やオートロック付きマンションの場合は、こういったキーシステムが導入されていることが多いです。このようなカギを交換したり購入したりする場合はキーシステムに関して理解しておくとわかりやすいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?鍵のメンテナンス方法と鍵について知っておきたい基礎知識についてご紹介しましたので、ご理解いただけたと思います。鍵に関して参考になる情報を随時ご紹介しますので、参考にしてください。